Marubeni's EYE

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つくれてこそ
発明製品になる
〜新素材の製造を可能にする化学の請負人という仕事〜

丸紅ケミックス株式会社

コンピューター、通信、ディスプレイ、自動運転、人工知能など、ハイテク分野における近年の技術革新は目覚しい。こうした分野の次世代製品を生みだすキーテクノロジーのひとつとなっているのがこれまでにない機能を持った素材だ。新しい素材なくして革新的な製品は誕生しない。日本は素材に関する研究開発力が高く、多くの新素材で社会の発展に貢献してきた。それはノーベル化学賞受賞者も多いことからも明らかだ。

丸紅ケミックスは、社名が示す通り、丸紅グループにおけるケミカルのプロフェッショナル・カンパニー。化学・医薬品・バイオメーカーが直面する課題やニーズに応えるパートナーである。新素材の開発段階におけるコスト削減や製造キャパ拡張、あるいは量産化を推進するため、丸紅グループのグローバルネットワークを活かして世界各国から最適な委託先をマッチング。多岐にわたる化学品の受託製造の請負業務を行っている。

構成する人員は、俗に言う典型的な商社パーソンとは一風異なり、化学をバックボーンに持つスペシャリスト集団である。丸紅ケミックスが委託企業と受託企業の間に入ることにより、各々の研究員・技術者が共通言語(元素記号や構造式)で話すことができるようになり、より効率的な商談・事業検討が可能となる。

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ただし、[委託先メーカーの選定→技術の説明→折衝→実験・試作による評価・最適化]といったビジネス成立までの一連の業務を遂行するには、時には途方も無い労力を要し、一筋縄にはいかない。扱う品目の大部分が特殊化学品であり、新規化合物も少なくないため、より細部にわたってすり合せを要するからだ。実際に生産してみると「想定していた品質、収率が得られない」「想定外の不純物・異性体が発生した」「生産スケールをアップすると、なぜか物性が変わってしまう」など様々なトラブルに見舞われることもあり、そこで調整・解決を図るも丸紅ケミックスの重要な役割だ。

そもそも、目的の新素材や化合物が画期的であればあるほど、それを造れる委託先が見つからないこともある。そのような場合は、例えばその物質の合成ルートから検討し、その原料(前駆体)まで遡って可能性を検討する。

地道な作業の積み重ねが大きな成果につながる。この仕事のやりがいは、大きなビジネスが成立したときはもちろん、「○○さんのおかげです」とクライアントから信頼が得られたとき、さらには、研究者の一瞬のひらめきやたゆまぬ努力による産物を現実社会に実装するプロセスに携われたとき、そして、世界中の人々を豊かで健やかにする次世代製品の素材を製造基盤から下支えしていることを実感するときである。

丸紅ケミックスは、既成コモディティ商品の販売という従来型化学品商社のフィールドに留まらず、新たなファンクションの形に日々チャレンジしているのだ。